オーロラのカーテンをめくる

きままにひとりごと

初めてのひとり旅 伊根町で深呼吸

2022年のGWに、初めてのひとり旅に出た。これは1年以上前のことの備忘録です。

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過去、用事があった際にひとりで遠方に出掛けてついでに観光したり、ということはあったけれど、完全にフリーな状態で行ってみたい場所を自分で見つけ、計画し、実際に実行したのは初めてのことだった。

向かった先は京都府。その中でもメインの場所は北部地域にある伊根町です。

 

1日目、まずは京都へ。サンダーバードに乗って北陸からやってきました。京都のあの独特な空気感に少し緊張したりする。

この日はあいにくの雨でかなり寒く、雨宿りがてらカフェで過ごす時間が多かったな。

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京都に行ったらかなりの確率でよる恵文社さん。相変わらずセンスが良い空間だなあ。すべてのものがおしゃれで魅力的に感じる。端から端までうろうろと本を眺めながら気になる本をチェックして、荷物になると分かりながらも、結局大好きな梨木香歩さんの本を購入しました。ご縁なのでね…。収穫にほくほく。

「つばめ」でランチしたり、「アカツキコーヒー」でキャロットケーキを食べたりした。翌朝も早いので、市内のホテルにチェックインした後は金ローの魔女宅を観ながらさくっと眠りについた。

 

そして2日目。まずは気になっていた進々堂でモーニングをいただく。シンプルだけどこれがいい、トーストもコーヒーもおいしくてぺろり。ちゃっかりおやつ用にとシナモンロールも調達しました。

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さてさて、今回の旅のメイン目的地に出発です。

まずは京都から天橋立まで電車で約2時間。移動は長かったけど、前日とは打って変わって晴れていたのもあり、電車内では春の緑に囲まれながら本を読めた。は〜のんびりリフレッシュ。これはひとりだからできる贅沢な過ごし方だよなあ、と思いました。

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乗り換えで降り立った天橋立駅。少し時間があったのでぶらぶらお散歩した。良い雰囲気で楽しかった。だが肝心の天橋立には行っていない。

 

そしてバスに乗り揺られること1時間。ついに到着しました、憧れの舟屋町に!

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なんて美しい場所なんだろう。うっとり見惚れて、無意識に大きく深呼吸をしていた。

とっても良い天気で爽やかな空気。伊根湾がずっと向こうまで続く開放的な光景。目に飛び込んできたこの景色に、すぐに「ああ、ここに来れてよかった…!」と思ったのでした。

深い青緑の海に、そこに浮かんでいるみたいな家屋群。幻想的なまである。ぐるっと散策しながらひたすらこの青い青い景色を眺めて味わいました。

 

飲食店は少ないのですが、台湾茶が飲めるお店に入って少し休憩。肝心の台湾茶は写真撮るの忘れていたのだけど、店主さんにたっぷり出していただき喉も心も潤った。

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夕方まで伊根町でのんびり過ごして、またしてもバスに乗り天橋立駅へ戻る。宿がとれなかったのである。次に来るときは、絶対に伊根町の宿に泊まりたいなあ。日が沈んだところも、朝日が昇るところも見たかった。

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最終日の3日目。宿泊したホテルの最寄りである峰山駅から再び京都市内へ向かう。小雨だったけど電車を乗り継ぐうちに次第に晴れていった。よかったよかった。少し歩いてお昼ごはんに二条でエスニックなまぜそばを食べた。パクチー大好き。

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その後は烏丸御池を散策したり、雑貨屋でピアスを買ったり、前田珈琲でおやつを食べたりした。苺のタルトかわいい。
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あっという間に帰りの時間が迫りつつある。

自分へのお土産にリンデンバウムのおやつを買った。お店はこぢんまりとしてるけどレトロで可愛くて、対応してくれたおばさまがとってもキュートで素敵だったなあ。ブラウニーはずっしり幸せな重みがします。

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そして京都駅では551を買った。かなり並んだけれど、おいしいのでなんとしてもゲットしたかったのです。初めて551の豚まんを食べたときの衝撃と感動は忘れられない…。無事に甘酢団子とともに購入でき、この日の晩ごはんになりました。

 

サンダーバードに乗り込み、北陸へ帰還。ほぼ「移動」の時間がこの旅の大部分を占めていたのですが、私はこの時間が好きだ!と思った。本を呼んで景色を眺めて、いろいろ考えごとをして…。もちろん友達と一緒なのも楽しいけど、非日常なひとり時間にまた違った味わいを覚えました。内省的でありながら客観的にもなれる、少し不思議な感覚。

今回の旅のおともとなった本は、アガサクリスティの「春にして君を離れ」と、梨木香歩の「春になったら苺を摘みに」の2冊。春繋がりだな?どちらも「旅」が内容に深く関わっていたのも、はまって良かった。「春にして〜」はかなり苦しくてホラーな読後感だったけれども…。

 

きっかけらしいきっかけは特になかったのだけれど…。まだコロナで旅行に行きづらい時勢だったのと、行きたい場所がアクセスに難しかったのとで友人を誘いづらく踏み切ってみた今回のひとり旅。結果としてはとってもいい経験になった。

行きたいと思い、行動さえ起こせば行けてしまう。しかもひとりだと自分のことだけを考えればいいし気楽だ。気になった場所にふらっと寄れるし、ごはんもそのときの気分によって選んで食べれる。

旅って、案外簡単なんだな。簡単だけど、お金も時間もかかるし少し孤独。でも時間とお金を使ったことにまったく後悔はなかったし、むしろ働くモチベーションになった。そして、その孤独は決して辛いものではなくて、むしろ自分と向き合い、何を欲しているのか、何を捨てたいのかしみじみと触れることができる不思議な時間なのだった。これは「春にして〜」を道中に読んだ影響がかなり大きいのだろうが…。

なんだか自分の価値観が柔らかくいい方向にに曲がった気がする。とにかく、充実した良い時間になりました。

 

このひとり旅の満足感に味をしめ、この後も旅に出るこが増えたので、時系列ばらばらになるがまた記録を残していきたい。