オーロラのカーテンをめくる

きままにひとりごと

読書の備忘録 2022上半期

こんにちは。ブログ初心者です。自分の好きなものの記録や考えを文章にしてまとめたくなり、日記感覚でネットの海に漂わせようと思います。

まず始めに、ここ数年読書の機会が増えたので読んだ本たちの備忘録を。特に面白かったものを抜粋するべきか迷ったけれど、せっかくなので全部記録することにしました。

まずは上半期編、読んだ順番に挙げていきます。敬称略で失礼します。

 

おまけ

  • 東京リベンジャーズ

計20冊と東リベでした。多くはないですが、ざっくり月に3冊ほどのペースで読むことができたみたいです。意図せず女性作家さんの作品ばかりのラインナップに。

その中でも特に、梨木香歩さんの作品が多いです。もともと子どもの頃に読んだ「西の魔女が死んだ」が永遠のバイブルなのですが、齢二十代半ばにして再ブーム到来中。小説・エッセイ問わずクリティカルヒットしています。梨木さんが紡ぐ誠実でいて爽やかな文章は、読んでいるだけで心のもやもやがすっと軽くなりす。まるで文字で森林浴をしているような気分。何度読み返してもその都度新しい気づき自然の描写が美しいことで知られていますが、もちろん作品の中で提示されるのは綺麗事ばかりではありません。それでも、綺麗なところも汚いところも丸ごと受け止めて、こんな世界でも愛そう…という壮大な気持ちになります。…私は何を言っていますか?

 

上記の作品、すべて面白かったのですが、特に心に残ったのは以下の二冊です。

牧水の恋

「白鳥は哀しからずや海の青空のあをにも染まずただよう」などが代表作の歌人若山牧水の人生を、俵万智さんが短歌を解説しながら彼の恋に翻弄され続けた人生を紐解く…という内容です。牧水のことはほとんど知りませんでしたが、推薦コメントが堺雅人さんというのに惹かれて購入。ドラマチックで刺激的な恋模様を鮮やかに浮かび上がらせています。昼ドラもびっくりの複雑すぎる恋愛事情にドキドキ。身がズタボロになりながらも、嵐のような想いを作品に昇華し、三十一文字に閉じ込めた牧水の歌へ対する情熱も痺れる。お相手の女性・小枝子さんの小悪魔っぷり、私はとても好きです。

歌が詠まれた経緯や背景を知ると、ただ言葉の響きが美しいとかだけでは済まされないほどに強烈な光や力を感じます。私は特に、失恋し傷心中に詠んだというこの歌が印象に残りました。

「海底に眼のなき魚の棲むといふ眼の無き魚の恋しかりけり」

 

春にして君を離れ

クリスティのメアリ・ウェストマコット名義の小説で非ミステリー。

なのですが…めちゃくちゃ心を抉られました。充実した暮らしぶりを自負している主婦が、ひょんなことから数日間砂漠のど真ん中で足止めをくらって、自分自身と向き合っていく話なんですが、なんだか殺人事件よりも怖いよ!めくるめく回想から、「あなたねえ…」とだんだん主人公に感情移入できなくなっていくんですが、私自身もこれまでの人間関係なんかを俯瞰的にみてみると、待って、私も人のこと言えないかもしれない…と恐ろしい気分にさせられます。正しく幸せだと長年信じ続けてきた主人公が、徐々にその真実(あるいは過ち)に気づいていく過程は、名探偵がおらずともナイフのような切れ味でシビアで苦しい現実を突きつけてきます。けれど、ラストの主人公の選んだ答えを、作中人物たちも、読者も、誰も責めることはできないでしょう。

怖いもの見たさでページを捲る手が止まらない一冊でした。そういう意味では、辻村深月さんの「噛み合わない会話と、ある過去について」もその系統。辻村さんの小説はブラックなものが個人的には好みです。ドMなのでしょうか。温かくて優しいお話も必要だけど、時には救いようのない毒を孕んだお話も摂取したくなります。

 

東京リベンジャーズは職場の同僚に借してもらいました。ふーん、ヤンキー漫画ね、こんな高校生ありえね〜とか思いながらもしっかりハマりましたね。推しは自分でも意外なことに九井一くんです。幼馴染のイヌピーのお姉ちゃんとのエピソードがあまりにも切なくて綺麗で。ああ、一途な秀才ってたまんない…。まだ最終話までは追えてないのでしっかり見届けたいです。

以上が上半期の記録でした!

 

〜To be continued〜